山野浩一論(仮) 第一章 第一節

いま書いている『山野浩一論(仮)』の冒頭。全三章予定。 Ⅰ SF作家・山野浩一の出発――「全会一致」と「違和感」 一九七一年、自身の主幹雑誌である『季刊NW‐SF』を創刊するなど積極的な評論活動を始め、既に批評家としてのキャリアを歩み出していた山野浩一…

「内宇宙」が「セカイ」と出逢う――私の「ゼロ年代」

※以下は2018年の秋に発刊された『Rhetorica#04 ver.0.0』 (特集:棲家) に寄稿した論考の再掲です (編集部からの許諾は得ております) 。 なお本稿は、誌内のうちで直前に置かれた座談会 (「伊藤計劃連続体――一〇年代日本SFのワンシーン」) への「応答」とい…

日本のディレイニー受容

久しぶりのブログ更新です。 大学の課題でディレイニーについて文章書いたのですが、せっかくなのでここに掲載します。日本のディレイニー受容についてまとめました。 本稿では、アメリカのSF作家、サミュエル・R・ディレイニーの作品の、日本における受容史…

ディレイニーとセカイ系の話

深夜3時くらいに、僕が世界で一番好きな小説であるところの、サミュエル・R・ディレイニーの『エンパイア・スター』を再々々々々読 (もっと読んでるかも) して心身ともにエモくなったのでそのままの勢いで『AIR』原作のラストシーンを観賞するというオタク臭…

国内ニューウェーブSFの父

ユリイカは山野浩一の特集をやってほしい。今からでも遅くはない。なんとなくSFマガジンではなく。— 麻枝龍 (@rmaeda0103) 2017年7月10日 仮に山野さんが亡くなったあとに、追悼特集を組まなければ、ちょっとなーと思う。— 麻枝龍 (@rmaeda0103) 2017年7月10…

「ニューウェーブSF」を知るための3冊

英SF作家のブライアン・W・オールディスは、SF史を通覧した著書『十億年の宴』のなかで、メアリー・シェリー『フランケンシュタイン』(1818) を世界初のSFと位置づけました。この事実は、来年でSFというジャンルが生まれてから200年目を迎えることを意味しま…